2010年5/18-6/6 スペイン&ポルトガル旅行(5/27) [出来事]
2010/05/27
ゆっくり目の起床。ホテルからタクシーでマドリッド駅へ。11:30 マドリッド発のAVEでレイダに向かい出発。13:40にレイダ着。バルセロナでワイン商として活躍する佐武さんとカステル・デンクス、フェレール・ボベでワインをつくるラウル・ボベさんが出迎えてくれました。早速ラウル・ボベさんのボルボに乗り込み、カステル・デンクスに向かい出発。カステル・デンクスまでの道のりは凄く綺麗な風景でしばらく見とれていました。佐武さんから『じつはボベさん、トーレスのCOOになったのですと大ニュース』、凄いですねぇ、スペインで最も有名なワイナリーのトーレス社の最高経営責任者ですよ~。
どんどん標高の高いところに登っていき、ついにカステル・デンクスにつきました。ここは大昔、海だったんだとラウルさんが話してくれました。たまに畑仕事をしているとウニのようなものの化石が見つかるんだなんても言っていました。このときも車を降り、畑で化石を探したのですが結局見つからず、黙々と化石探しをするラウルさんを見て、まじめな方だなぁ とつくづく感じました。
※後日東京にいらしてくれたときしっかり化石を持ってきてくれました・笑。
カステル・デンクスのワイン。背の高いワイン、『エカム』はリースリング。このリースリング、かのジャンシス・ロビンソンが『スペインのリースリングについて納得できるものはないと思ってきたが、このカステル・デンクスの「エカム2008」(コステルス・デル・セグレ)にはやられてしまった』とコメントするほどの素晴らしいワインで私も飲みその美味しさにやられここまでやってきてしまいました。
ラウル・ボベさんはトーレス社の最高醸造責任者として16年間活動をした人物。ヨーロッパNo.1といわれるトーレス社のラボラトリーで非常に多くのことを研究・勉強し現在に至るのですが、スペイン最高の醸造家として専門家の間でも一目置かれる方なのです。
カステル・デンクスはピレネー山脈の標高1000mの地にあるパリャルス・ジュサ地区で2008を初ビンテージにワインを造り始めました。 ここではトーレス社とは全く対角線上の少量生産でラウルさんがつくりたいワインをつくります。
実は私、ラウル・ボベさんに凄く期待していることがあります。ボベさんにぜひスペインで最高のピノ・ノワールをつくってもらいたいのです。綺麗なリースリングもできる環境、有り余る知識と経験、ボベさんには本当に期待しているのです。
ボベさん、タラルンというシラーもつくっており、数樽ある一つはあの3つ★レストランのカン・ロカのソムリエ、ジュセップ・ロカが店のスペシャルワインとして購入するほどのワインなのです。後日日本でやったワイン会でもシラーは大好評でした。
最初のピノ・ノワールも350本つくり、こちらはカン・ロカとビラ・ビニテカの二つが全量を買ってしまったそうです。数本残っていたこのワインをテイスティングさせてもらったのですが、私は満足せずいろいろボベさんにこんな風にして欲しいなんてリクエストをしちゃいました。本当に話を聞いてくれ、素晴らしいピノ・ノワールワインを絶対につくるから待ってろと頼もしい返事をくれました。ボベさんなら絶対にやってくれそうだよなー。
ここカステル・デンクスには 12世紀から従軍僧侶たちが住み、生活していた修道院「カステル・デンクス」があり、その当時から、ブドウが植えられ、ワイン造りが始まっていたとされます。僧侶たちは少なくとも1752年まで住み続け、ワイン造りが続いていた場所であります。
この写真は12世紀に僧侶が使っていた岩の発酵槽で、現在、 岩の発酵槽の研究を重ね、実用化に成功、赤ワインの一部を発酵しているのです。ラウルさんって好奇心旺盛な人なのです。この岩の発酵槽でつくったカベルネ・ソーヴィニヨンを飲んだのですが、すごく美味しく、購入をリクエスト、100本から150本ぐらい分けてもらえることになっています。
今年の秋、ぜひワイン造りを経験しに来いとラウルさんから言われています。とっても行きたいと思っています。
こんな昔から重力を利用した設計になっていたんですね。
でも、ここでワイン造りを行うラウル・ボベさんってやっぱり変わっていますよね。
でもボベさんって本当に知識の泉のような人でどんな質問をしても何でもきちっとした答えを教えてくれます。本当に凄い方でした。
自身の長所 : 見方によっては長所とも短所ともとれるが、落ち着きのなさ。 常 に新しいことをしたがる。
自身の短所 : 完璧主義
というボベさん。わかるなぁ、これ・笑。
楽しく、とても興味深い時間を過ごし、ホテルへ。
湖(?)のほとりにある綺麗なホテル。チェックイン後すぐにボベさんと夕食。
メニューにあった料理を食べたいとリクエスト。ボベさん、それはあわないと却下、あっ、食べたいのなら食べようと言ってくれましたが最後までその料理は出ませんでした、さすが完璧主義者・笑。
翌日、D.O.Ca.プリオラートにあるフェレール・ボベに一緒に行くのですがボベさんは到着後すぐにトーレス社に行かなくてはならないとのこと。そんなわけでここでフェレール・ボベを一緒に飲もうと2006、2007のスタンダードとセレクシオン・スペシャル、そして2008年のスタンダードのバレルサンプルを美味しい料理とともに楽しみました。
さすがファーストヴィンテージからシバリタスでワイン・オブ・ザ・イヤーに輝いたフェレール・ボベのワインたちは完全に新たなるD.O.Ca.プリオラートの改革の旗手になるようなエレガントさをしっかり持った素晴らしいワインです。
やっぱりトーレス社でみっちり16年間も最高の環境で経験を積んでこられただけのことはありますよね。カステル・デンクス同様このフェレール・ボベもどんどんどんどん進歩、進化していくのでしょうね。
本当にお会いすることを楽しみにしていたラウル・ボベさん、素晴らしい人で大好きになってしまいました。
美味しいワインはあっという間になくなるし、楽しい時間はあっという間に経ってしまいますよね。
明日はこれまた楽しみにしているD.O.Ca.プリオラートです。
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