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スペイン第2日目 2010/10/02 [出来事]

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※プレスの圧力の数値を考えている醸造家のミレイア

2010年10月2日 (土曜日)
7時に起床。8時から朝食をとり、9時にホテルをチェックアウト。
タクシーでバルセロナ・サンツ駅に向かい、列車にてジェイダの駅に到着。駅にはラウル・ボベさんの弟さんのダビットさんが迎えにきてくれ、カステル・デンクスに向かって約2時間弱のドライブ。ダビットさんは梨や麦などの生産者で、車の中では弟が見た兄、ラウル・ボベについていろいろ教えてくれました。

学生時代は僕の方がまじめで、ラウルは学校の勉強が簡単すぎて楽しくなく、遊んでばかりいたそうです。ラウルさんらしいなぁ・笑。

DSC01968.JPGカステル・デンクスに到着。すぐにボデガをのぞいてみるとラウル・ボベさんが忙しそうに仕事をしていました。そうですよね、一番忙しい時に来てしまったのですからねぇ。ピノ・ノワールのフリーラン・ジュースを取った後の葡萄の実をプレス機に入れているところ、柔らかなプレスでジュースを取り、良ければアクスプに使うし、だめだったら格落ちのスステリスに使うそうです。

プレス機に葡萄を入れ、ミレイアにチェンジ、久しぶりの対面、挨拶を交わし、早速、タンクに入っている2010年のピノ・ノワールをテイスティング。2010年は4つのタンクを仕込んだそうです。

 


実はスペインにはなかなか美味しいピノ・ノワールがなく、ピノ・ノワール好きな私は少し悲しい思いをしています。ラウルさんのアクスプには一番の期待をしています。ピレネーの麓、標高千メートルという高地に展開する冷涼な畑、そしてヨーロッパ最高といわれるトーレス社の研究所で醸造責任者としてきた16年の経験、そのスペインワイン界最高といわれる知識などを考えるとやっぱり素晴らしいピノ・ノワールを初めてリリースするのはここカステル・デンクスだと私は思っています。
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アクスプは2008年ヴィンテージ、テストで350本造ったそうです。その多くが昨年3星に輝いたレストラン、カン・ロカとバルセロナ最高のワインショップ、ビラ・ビニテカに渡ったそうです。

もうこのときすでに多くのワイン専門家から『スペイン最高のピノ・ノワール』といわれたそうです。私はラウルさんから3本のサンプルをもらい、ラウルさんと一緒に、また日本のソムリエ氏などと一緒に飲みましたが個人的にはまだまだ納得のいくワインではありませんでした。

まあ、初めて造ったワインなので仕方がないと思いますが・・・。
それでも将来必ず素晴らしいピノ・ノワールになるだろうという予感は感じさせてくれるワインでした。

4つのピノ・ノワールをテイスティング。2009年も手応えのあった年だったが、この2010年は今のところ素晴らしいワインになるだろうとラウル・ボベさんは言っていました。

その後、他の葡萄品種のワインもタンクからテイスティング、この味わいがどのような完成形になるのか私なんかにはわかりませんが、単純にこのこれからワインになる液体は素晴らしいものでした。


一段落したので食事に行こうとなり、ラウル・ボベさんと一緒に近くのホテルに行きました。そのレストランは満席状態で大盛況でした。

ワインは私のリクエストでリースリングのエカム2009を。このワイン、本当に美味しいです。リースリングではスペインNo.1は間違えないでしょう。本当に素晴らしいワインです。
そしてもう1本はラベルのないブルゴーニュタイプのボトル。シラーのタラルンかと思ったらなんと1ヶ月前にボトリングをしたピノ・ノワールのアクスプ2009でした。

2009年ヴィンテージは雹害があり生産本数は1,200本ぐらいと聞きました。そのワインを口にしたのですが2008年とは全く別のワインとなっており、その美味しさに驚き、笑顔でラウル・ボベさんに『素晴らしいっ!』と告げました。

ピノ・ノワールの酸が綺麗でエレガントなスタイル。軽やかだけど緻密な味わいに私は大満足でした。
はっきり言っちゃいますがスペイン最高のピノ・ノワールでしょう。2回目のヴィンテージでこんな素敵なピノ・ノワールを造ってしまうなんて、さすがスペインを代表する醸造家ですよね。

こんな凄いワインですが正式にリリースするかラウル・ボベは迷っているそうです。本当にラウル・ボベさんって完璧主義者で自分の中ではベストではないと言っていました。
2010年ヴィンテージがある意味、カステル・デンクスの正式なピノ・ノワールにしたいみたいです。

でも、こんなに美味しいピノ・ノワールなんて絶対にスペインではないので2009年も日本には出してと頼んできました。驚きのアクスプ2009でした。

昼食を終え、カステル・デンクスに戻り収穫の見学。
 
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私も少しやってみましたが大変な作業ですね。
この広い畑を全て手摘みで収穫するのですから本当に大変だと思いました。こういう作業を知ってしまうと好き勝手にワインのことを旨いだ、不味いだなんて言えませんよね。

収穫された葡萄は健全な葡萄ばかりで数粒食べましたがとても美味しい葡萄たちでした。
この葡萄はすぐそばにある醸造所の冷蔵庫に二日間入れられ、その実は冷やされます。


DSC02026.JPGラウル・ボベさんもやることがあるそうなので私たちはちょっと散歩。12世紀の教会の跡の建物の中でちょっと私はシエスタ。石で造られた建物だけあってとてもひんやりしていてとてもゆっくりできました。


しばらく休み、そして醸造所に戻るとラウル・ボベが樽からの試飲をしようと言ってくれ樽熟倉庫に移動し樽からのテイスティングをしました。

最初に飲んだ樽はアクスプ2009に使えなかったというピノ・ノワール。もちろんアクスプ2009の方が比べれば美味しいけど、これはこれで美味しく飲めるのにボツとのこと。ボツのワインはちなみにピノ・ノワールだけで4樽ありました。

DSC02044.JPG本当に美味しいワインを造るために多くのことを犠牲にしているのです。だからこそ美味しいワインとなるのでしょうね。本当に頭が下がります。

その後も葡萄別にいろいろテイスティングをさせてもらいました。樽熟庫には40樽ぐらいありましたがこの中でカステル・デンクスの名前でリリースするのは8樽ぐらいだそうで、良いワインのみ使われます。そんなワインです、スペインの星付きレストランからも引っ張りだこになりますよね。

1時間ぐらいの樽からのテイスティングを終え、今一番忙しいシーズンなのでラウル・ボベさんも大変忙しく、夜も仕事があるとのことでホテルに送っていただき、残念ながら夜の食事は我々だけの食事となりました。


ホテルはフォンダ・ファレというホテルでラウル・ボベさん曰く『このあたりでは食事が一番美味しいホテル』とのこと。
http://www.fondafarre.com/

夜、9時過ぎからの食事。一緒に旅をしている佐武さんが持ってきてくれた白2本を飲み、その後、ホテルのワインリストにあった1/350のピノ・ノワールのアクスプ2008をオーダー。

DSC02081.pngアクスプ2008を久しぶりにゆっくり飲みましたがとても美味しいワインですが、アクスプ2009の進化&進歩に改めて驚きました。6月に東京であったとき3年以内に素晴らしいピノ・ノワールを造ってみせると言っていましたが、『なんかもうできちゃったの』という感じです。

まぁ、私たちには想像もできないほど苦労されているとは思いますが、それでもラウル・ボベの才能、知識、経験には驚きました。貴重なワインと言うことでオーナー・シェフが自ら抜選してくれました。


食後にはラウル・ボベさんの弟のダビットさんが造っているというジェイダの梨(スペインでは有名とのこと)を食べ、楽しい食事が終わりました。

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明日は非力ながら収穫、選果、足踏みによる破砕をお手伝いする予定、明日に向けておやすみなさーい・・・・・。

 

カステル・デンクスを支える二人の重要なスタッフ。ラウル・ボベさん、大絶賛のお二人です。

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女性:カステル・デンクスの醸造の右腕のミレイアさん
男性:植物学の博士のルベンさん


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