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2010年5/18-6/6 スペイン&ポルトガル旅行(5/22) [出来事]


2010/05/22

00000001.jpgゆっくりめの起床。朝食もゆっくりとり "Bodegas Forjas del Salnes" のロドリゴ・メンデス・アロサの迎えを待ちます。ロドリゴのところには2年ぶりだなぁ。10時にロドリゴが来てくれ早速畑へ。前からロドリゴが言っていた樹齢二百年を超えるというアルバリーリョとカイーニョが植えられる新たなる畑に最初に行きました。この畑は写真のおばあちゃまが所有する畑であとを継ぐ者がいなく、継続を悩んでいたとき、ロドリゴとラウルがその継続を立候補し、長期にわたり借り受けた畑です。ここには恐ろしく古いアルバリーリョとカイーニョが植えられており、ロドリゴ&ラウルは『こんな素晴らしい畑が手に入るなんて夢のようだ』と語っていました。

スタンダードのアルバリーリョにもこの畑の高樹齢の樹から収穫する葡萄を使用し、さらにその品質が高まったとロドリゴが話してくれました。現在、二百年を超える樹齢の葡萄樹はロドリゴとロドリゴの叔父でリアス・バイシャスの重鎮、ヘラルド・メンデスぐらいしか持っていないと言われています。

その後、他のエリアもまわり、海のすぐそばにあるスケッチをつくるアルバリーリョの畑へ。ロドリゴも何回も私に話してくれましたが、熟成のしっかりきくアルバリーリョのワインをつくりたいと言っています。ロドリゴがリリースするレイラーナは素晴らしいリアス・バイシャスのアルバリーリョです。

"Bodegas Forjas del Salnes" の名を一躍有名にしたのはやはりラウル・ペレスのワイン、『スケッチ』でしょう。他のアルバリーリョとは全く違うキャラクターだがラウル・ペレスは『完熟させたアルバリーリョは本来こういうものだ』とコメントしています。このワインは "Bodegas Forjas del Salnes" でロドリゴと一緒につくられます。700リットルぐらいのやや大きめな樽で2樽仕込み、その一樽が『スケッチ』になり、もう1樽が『ゴリアルド・ア・テレイラ』となります。生産量は約900本という少なさ、世界中からこのワインたちは狙われています。超入手困難なワインとして知られます。

00000001.jpgゴリアルド・シリーズはガリシアの黒葡萄でつくられる赤ワインがあります。95%以上がアルバリーリョの白ワインのエリアなのでこの赤ワインは非常に珍しく、興味深いワインとなります。カイーニョ、ローレイロ、エスパデイロという3つのモノ・バラエタルとこの3つの葡萄をブレンドしたバスティオン・デ・ラ・ルーナをつくります。これら黒葡萄からつくる赤ワインはこの旅行中でもレストランやボデガ・オーナーのセラーでも本当にちょくちょく見かけました。カイーニョは新たなる畑に植えられる樹齢二百年を超える葡萄樹もブレンドされ、さらなる味わいになりました。

ロドリゴやラウル・ペレスの仲間である、幻の逸品ア・トラベをつくるホセ・ルイス・マテオもロドリゴのカイーニョはスペインで最もピノ・ノワールを感じさせるワインだ。数年寝かせたら素晴らしいワインになると言っていました。今はまだ酸が強いですが生命力を非常に感じるワインです。
いろいろな畑を見学後ボデガに戻りテイスティング。

00000001.jpgラウル・ペレス&その仲間の多くはロドリゴの後ろにある大きなオーストリア製のフレンチオークの大樽を使いワインをつくります。これはラウル・ペレスの先生であるバレンシアのサン・ブラスでワイン造りを行っているニコラス・サンチェス氏(バレンシア醸造学校教授)が使うものと同じです。ラウル・ペレス、先生の教えを守っているんですね。

今回はレイラーナ・シリーズ、ゴリアルド・シリーズといろいろ飲みましたが前回来たときよりもどのワインもさらに美味しくなっているように感じました。

ロドリゴ、めちゃめちゃがんばってんじゃん!

スケッチ&ゴリアルド・ア・テレイラとしてつくられている二つの樽も最高の味わいでした。まぁ、ほとんど一卵性双生児ですねぇ。
どちらかのワインにスケッチのラベルが貼られますがほぼ同じワインだと思ってくださってOKです。


一通り、テイスティングが終わったとき、ブラインドで白ワインと赤ワインを飲まされました。中身をきくとラウル・ペレス&ラウルの仲間の得意の葡萄を混ぜてつくったワインだと教えてくれました。自分たち用のワインだと言っていましたがとても興味深いのでもし売るようなことがあったら声をかけてと言っておきました・笑。

楽しく時間を過ごしていると、キンタ・ド・ドラドのマルシアル・ドラドが迎えに来ました。

マルシアルの運転でまたポルトガルのビノ・ベルデに向け出発しました。

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マルシアルは以前ラウル・ペレスに美味しいビノ・ベルデを探していると話しをしとき、ラウルから最高のビノ・ベルデの造り手だと紹介された生産者なのです。

ビノ・ベルデといえば若飲みで微発泡、低価格で暑い夏、水変わりに飲む、そんなイメージを持っていましたが、よく考えたらラウル・ペレスがそんなワインを紹介するはずがないですよね、本当に素晴らしい本格的な白ワインでした。

一緒に飲んでいると陽気なスペイン人だがワイン造りは至って真剣、ボデガを訪問しワイン造りにかける情熱に驚きました。一緒に飲んでいるとそういうことをあまり感じさせないので何となく買わずに来てしまったのですが大きな間違えでした・笑。


どうです、素敵な畑ですよね。この畑は全て石の塀で囲まれているのです。さすが苗字がドラド(黄金)、なんか資産家のようです・笑。マルシアル・ドラドは一般的なビノ・ベルデと自分のワインは一緒にして欲しくないと言います。その理由は自分のワインは熟成のしっかりきくワインで、軽く若飲み用のワインではないとコメントしています。葡萄造り、ワイン造りは全てきちっとやらなければいけないと私に話してくれました。

もう一度書いちゃいますが、陽気なスペイン人だがワイン造りは至って真剣なのです。

後日、マドリッドの有名ワインショップ『LATINTORERIA』にお邪魔したとき、ワインセミナーが行われており、そのワインの1本がキンタ・ド・ドラドのドラド2001年でした。

すでに9年熟成されたワインで私も昨年のフェナビンと今回の訪問で2度飲んでいるがそれは素晴らしいワインです。購入をリクエストしたのですがさすがにこのワインは売り物はないみたいです。『LATINTORERIA』のオーナーも大絶賛しており、ビノ・ベルデでは他とは別格のワインだと言っていました。『LATINTORERIA』はラウル・ペレスのスペイン国内のディストリビューターとしても知られる名店です。

 畑を見て、簡単な昼食を食べ、他の場所にあるボデガに移動しました。

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ボデガでも感じましたがマルシアルも良いワインをつくるためには努力を惜しまないタイプ。こんなに情熱ある奴だとは本当に気がつかなかった・笑。
ボデガは綺麗に清掃されていて、心地よかったぁ。

写真でもわかると思いますがマルシアルってとても陽気そうでしょ、でもマルシアルはスペイン人だけどポルトガルの高樹齢のアルバリーリョの魅せられ、一人でポルトガルに住みがんばっているのです。

今回、マルシアルのところを訪ねて本当に良かったと思っています。
彼もまた30代の醸造家、今後がとても楽しみな一人です。

ワインはこの6月より販売いたします。


さて、今晩はラウル・ペレスとその仲間たちと宴会です・笑。マルシアルもそのメンバーなので一緒にラウルが住むポンフェラーダまでまた長距離ドライブです。途中、トラクターがトロトロ走っており、それを追い越したとき、運悪く対向車線にパトカーが、追い越し禁止のラインだったので捕まってしまいました。でも、これはないよなぁ、トラクターの後にいたら絶対に夜にポンフェラーダにつかないよなぁ。

00000001.jpg夜、8時にホテル・アロイに到着。
大宴会の会場は以前ラウルが連れて行ってくれた "Menta y Canela" 、宴会前に別のワインバーでラウルを待つことに。そこにいろんなワイナリーの方たちも集合、ちょっとびっくりしました。

そしてみんなで "Menta y Canela" に移動。ワインはいったい何本あるんだろうと数を数えたくなるような本数。ラウル・ペレスはもう絶好調。シャンパン好きのラウル、最初のワインはジャック・セロスのシュブスタンスなど3本のワインでした。そしてスティルワインは全てブラインドで、有名な生産者の皆さん、子供のように当たれば大喜び、本当に楽しい会です。

こんなに凄いメンバーなのにブラインドってなかなか当たらないものですね。
僕が当たらないのは普通なことだったのですね。ロドリゴ、顔が怖いぞー。


相変わらず、凄いワインのオンパレードでした。エル・ペカド、ウルトレイア・デ・バルトゥイエなんかも普通のワインのように開けちゃうのですから、驚きですよね。

そして最後の1本は私も大好きなイーベン・セイディとドミニク・フーバーがつくるテロワール・アル・リミットのアルボサールでした。カリニャナからつくる素晴らしいワインでうっとりしていると、ラウル・ペレスが南アフリカでイーベン・セイディとコラボでワインをつくったんだと話をしてくれました。その話を聞き、なんだかとっても人の縁を感じました。

そんなこんなで夜中まで大宴会。本当に本当に楽しい時間でした。

その後、ロドリゴにホテルまで送ってもらい就寝。

明日はペドロのD.O.リベイラ・サクラとマテオのD.O.モンテレイを訪ねます。

 


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