Cuverie Saint-Vincent [ブルゴーニュ]
《 Cuverie Saint-Vincent サン・ヴァンサン醸造所 》
葡萄の守り神のサン・ヴァンサンの名が付いたブシャール社の新醸
造施設、キュヴリー・サン・ヴァンサン。
建設費、約20億円、建築期間1年8ヶ月の歳月を費やし完成した
ブシャール・ペール・エ・フィスが誇る最新の醸造所です。
コート・ド・ニュイとコート・ド・ドールの中間地点に位置し、
収穫したブドウの搬入に最適な地にこの醸造所はあります。
その特徴は、
●人と物の流れがスムーズでシンプルな構造
●あらゆる作業にも柔軟に対応できるスペースを備える
●地上1階地下2階の3層構造 ポンプの使用を避け、自然の
重力を利用したシステム。
(1階で選果→地下1階で醸造→地下2階で樽熟成)
●ブルゴーニュならではのさまざまな小区画のワインを別々に
仕込むことを可能にしたシステム。
これらにより、作業の処理能力が格段に上がり、以前の醸造所の
ペースでの収穫から、葡萄の生育状態によるベストなタイミング
での収穫への転換を可能にし、その結果、品質をかなりアップさ
れました。
2005年はブルゴーニュにとってまさにグレート・ヴィンテージ。
そのグレート・ヴィンテージがキュヴリー・サン・ヴァンサンの
ファースト・ヴィンテージになると言うことはきっと葡萄の守り神
のサン・ヴァンサンお導きなんでしょう。
グレート・ヴィンテージ+最新の醸造環境、まさに鬼に金棒の
ワインがこのブシャール社の2005年ヴィンテージです。
イメージで良いのでと前置きをして、
『2005年、旧態の醸造所でワインを醸したとしたときに対し、新醸
造所のワインは何パーセントぐらいポテンシャルがアップしたかと
思いますか』とプロさんに尋ねました。
彼は『何パーセントとなかなか数字にはできないが絶対により良く
なっている。兎に角品質のアップは絶対に間違えなく、きっと熟成
にもその影響は大きく出るだろう』と話してくれました。
オーナーのジョゼフ・アンリオ氏が醸造チームに対し、『新しい
醸造所に対しての希望事項を提出しろ』と命じたそうです。
そのとき、醸造チームは遠慮してあまり多くは望まなかったところ
内容のない改革案なら減俸すると言ったそうです。
醸造チームが提出した希望事項は百を超えたそうです。
醸造責任者フィリップ・プロさんは私に『百以上の私たちの思い
が詰まった新しい醸造所からつくられるワインは、少なくても
その分は美味しさに上乗せされている』と笑顔で答えてくれました。
昔は
『ドメーヌ・ワイン=高品質、ネゴシアンワイン=粗製品』
と言うことが成り立ったかもしれませんが、現在はまったくその
方程式は通じないと今回改めて感じました。
優秀な経営者、豊富な資金力、才能ある人材、
やっぱり、このへんがドメーヌにはなかなかできないところです
よね。
きっと昔は質より量だったネゴシアンも現在、それでは通じない
ことを優秀な経営者は判断し、質重視に切り替えたことがネゴシア
ン・ワインを大きく進歩させたことでしょう。
2005年のブシャール・ペール・エ・フィス 、絶対に買いです!
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